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exhibition

坂口寛敏 個展
パスカルの森

−ボイスの「森を守れ」に接続する−
2022年3月5日 (土) 〜 2022年3月22日 (火)
Sat Mar 5 2022 〜 Tue Mar 22 2022

開廊:土曜〜火曜 1:00pm - 6:00pm

opening hours : Sat 〜 Tue   1:00pm 〜 6:00pm

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『Space of Pascal 22-1』
2022年 麻布にアクリル絵具 91x123cm

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右から『Space of Pascal 22-2, 22-3, 22-4』
2022年 綿布、麻布にアクリル絵具 30×30cm

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『パスカルの森 2022』 映像 3分

絵画作品『Space of Pascal 22-1』 熱エネルギーの循環について
麻布をガスバーナーで焦がしながら描きはじめる。熱エネルギーを受けて画面が変容していく。物質が熱エネルギーの作用により流動的で循環可能な状態になる。草原が焼かれ黒土と化した地面から力強く植物が芽吹き、緑の草原へと移り変っていく。何かが生まれる発生の場とは、如何なるSpaceなのだろうか。

映像作品『パスカルの森 2022』 
撮影場所である室戸岬の山の上の森は、最御崎寺(四国八十八ヶ所霊場 第24番札所)に接続し、太平洋に突き出した岬には黒潮の熱エネルギーが打ち寄せて来る。鬱蒼としげる森のパワーが身体を洗う。撮影の3日後に眼下の海には、トンガの大噴火がもたらした80cmほどの津波が観測されたと言う。

映像『循環・水・器1989-2017』は山梨県白州町で開催された「白州・夏・フェスティバル1989」で制作した『循環・水・器1989』の当時の画像と、28年後の2017年に撮影した映像を編集したものです。
1989年 廃車になった小型トラックを森の中に数人で押し上げ、土と苔を塗り螺旋形のホースに沢の水を通し水滴が落ちるようにした作品は、時間の経過とともに苔むした姿に変わり、荷台には実生の木々が育って行った。
2017年 私は、再び記憶をもとに既に道も無くなっているこの森に分け入った。作品が長年の時の流れに洗礼され、森の中である種神聖な姿と場に変容されていたことに私は驚かされた。 


今回の個展は、私の作品『パスカルの森』に、ヨゼフ・ボイスのオフセットタイプ作品『Save the woods(森を守れ)』『vitex agnus castus(樹木保護イベント)』が供与展示される。ボイスの社会活動に敬意を表し、作品(絵画、映像)と「秩父Forest」(注1)活動などで接続したいと考えた。私は西ドイツ留学中(1976-84)からボイスの活動に共感を持ってそれに触れていた。西ドイツの国際美術展ドクメンタ8(1987)においてヨーゼフ・ボイス(1921-1986)の社会彫刻、植林を推進するアートプロジェクト《7000本のオーク》が始まった。オークと玄武岩各1本を購入毎に各地に植えていくもので、環境保護に加えて、人々の参加や経済の活性化という面ももっている。ボイスが行っていた自由国際大学(FIU)については、彼が東京芸大の講演(1984)の場で親しかった針生一郎氏に日本支部(FIU Japan)の開設を要求した。私は、その後針生一郎氏が開設したFIU Japanでボイスの教授(デュッセルドルフ美術アカデミー)時代の助手であったヨハネス・シュトゥトゲンの著書『Zeit Stau (社会彫刻・時の澱み)』を針生氏と共訳し読書研究会等の活動を行っていた。

(注1):「秩父Forest」の活動内容のホームページ
https://chichibu-forest.com/index.html

<坂口寛敏活動歴>

1949年 福岡県生まれ


1973年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業


1975年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了


1976〜84年 西ドイツ ミュンヘン滞在


1983年 ミュンヘン美術アカデミー絵画科卒業 マイスターシューラー取得
1991〜2017年 東京藝術大学美術学部油画で教鞭をとる

<主な個展>


1983、88年 コルドンハウス カーム市立ギャラリー(西ドイツ)


1988、90年 ヒルサイドギャラリー(東京)


1989年 東京ドイツ文化会館(東京)


1991、93、95、07年 調布画廊(東京)


1993、97年 村松画廊(東京)


1995年 ギャラリーαM(東京)


2002、06、10、13、16、18年 表参道画廊(東京)


2005年 ギャラリー櫟(東京)


2006、12、19年 ギャラリーとわーる(福岡)


2007年 「パスカルの庭・都市軸・時間軸」渋川市美術館(群馬)


2007、09、12、17年 ギャラリー58(東京)


2008年 ヤマネ・アートラボ(福岡) 


2010年 E&Cギャラリー(福井)/ギャラリー・シエール(栃木)


2014年 アルスギャラリー(東京)
2017年 坂口寛敏退任記念展「パスカルの庭・海・光」東京藝術大学美術館
2017年 「パスカルの光」Break ステーションギャラリー 上野駅 (東京)


2018年 『Soup for Pascal 18-12』 調布画廊(東京)



<主なグループ展>


1989年 「白州・夏・フェスティバル'89」白州町横手地区(山梨)


1990年 「渋川・現代彫刻トリエンナーレ’90」渋川市総合公園(群馬)


1994年 「ファーレ立川アートプロジェクト」(東京)


1996年 「ハンブルグ現代日本美術展」ハンブルグ市立カンプナーゲル(ドイツ)


1997年 「INSIDE展」(ドイツ カッセル)


1998年 「Dueseldorf・Seoul・Tokyo」クンストラウム(トイツ デュッセルドルフ


1999年 「第18回現代日本彫刻展」宇部市野外彫刻美術館東京国立近代美術館賞受賞(山口)


2000、03、06、09年 越後妻有アートトリエンナーレ (新潟)


2001年 「発生の場/ドローイング」東京藝術大学美術館陳列館(東京)


2004年 「Voices of Site」展 台東区立旧坂本小学校(東京)


2005、10、12、15、19年「中国杭州国際芸術展」中国美術学院美術館(中国 杭州)
             「ドイツに学んだアーティストの発火点」東京藝術大学大学美術館(東京)


2006、07、08年 まつしろ現代アートフェスティバル 史跡松代藩文武学校(長野)


2007年 Art Program OME

2007     「出会いのよりしろ」旧青梅織物協同組合工場(東京)

        「プライマリー・フィールド 美術の現在-七つの<場>との対話」神奈川県立近代美術館・葉山館(神奈川)


2008年〜2021年「修猷美術-TOKYO展」ギャラリー櫟(東京)


2008年 「シシュポス・ナウ~罪と罰のでんぐり返し~」原爆の図丸木美術館(埼玉)


2009年 「坂口寛敏・宮崎光二ドローイング展」ギャラリーとわーる(福岡)
    

     「異界の風景 東京藝大油画科の現在と美術資料」東京藝術大学大学美術館(東京)


2010年 「2010国際交流作品展」台北美術大学美術館(台湾)


2011年 「潮田友子・川邉耕一・坂口寛敏」ギャラリー風蘭(静岡)


2011年 「下町で発生した見世物、エスプリ展」すみだリバーサイドホールギャラリー(東京)


2017年 「Dimensions of the Paper」 南京師範大学美術館(中国 南京)
2017年 「第4回国際新媒体トリエンナーレ展」 北京電影アカデミー主催   悦・美術館 北京芸術区798(中国 北京)
2018年 「河口展」 帯広コンテンポラーリ2018(北海道 帯広)
      坂口寛敏+潮田友子 『シロイルカの森』 真鍋庭園森のオープンギャラリー(北海道 帯広)
2018年 「玄園之光」坂口寛敏・管懐濱二人展 上海22画廊(中国 上海)
2019年 「開化寺国際芸術祭」 開化寺(中国 山西省高平)
2019年 「BOX ARTの新展開」 ギャラリー湯山(新潟県 十日町)
2020年 「述古建·土楼当代展」 洪坑村客家土楼民俗文化村 振成楼(中国 福建省竜岩市永定区)
2020年 「第6回国際クロスメディアアート招待展」 寧波華茂美術教育博物館(中国 寧波)
2022年 「多角的相互観―国際現代美術招待展」 マカオ美術館(中国 マカオ)
 
<受賞歴>
1973年 大橋賞(東京藝術大学油画大学院)、

1993年 シナジー21(村松画廊個展)、

1999年 東京国立近代美術館賞(第18回現代日本彫刻展)



<パブリックコレクション>


神奈川県立近代美術館、

東京藝術大学美術館、

ファーレ立川、

十日町市中里ミオンの森、

中村学園大学(福岡市)

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