exhibition
古川流雄 展
Awakening 1981-2012
2022年1月22日 (土) 〜 2022年2月8日 (火)
Sat Jan 22 2022 〜 Tue Feb 8 2022
土曜〜火曜 1:00pm - 6:00pm
Sat 〜 Tue・opening hours : 1:00pm 〜 closing time : 6:00pm
今回の展示は旧作展示になる。
ただ過去の制作ではあっても今も見る者に働きかける作品だと思っている。
一番古い1981年「無題」はカラーフィールドペインティングに感化されているが、木版画の経験による裏彩色や、薄められた油絵具の表面への浸透を止めながら浮き上がる楕円形に樹脂を使用するなど、異なる要素を持ってその後の三次元作品に繋がる。
1983年「預言者Ⅱ」は同年の「内面化される構造」展で床に置いた作品である。
楕円形の穴とうねる表面を持って見る者に対峙する三角錐ピラミッド状の立体であるが、表面には油絵具が滴りながら重なり絵画的要素の強い立体になっている。
1986年の作品「無題」は素材を木と油絵具から布とポリエステル樹脂に変えて、金属粉を混入することでメタリックな表現になっている。合板を削っていた表面のうねりは布による襞になり、素材の変化は表現をより自由にしながら壁面中心に展開していた。
2005年の「対話」では黒い布の色と表面をそのまま生かして樹脂を使い、メタリックなストライプが表面の凹凸に対して斜めに流れている。
2012年の「長いまどろみ」は樹脂の性質を活かして半透明の色彩を持つ。
三次元(立体)にしたことで付加的にならざるを得ない色彩に抱いていた不満が25年以上を経て半透明の立体になることで解決されたと感じた2010年個展の後で制作した作品である。
半透明な表現は1981年の平面作品のステイニングによる色彩表現とも関わる作品である。
今回展示は長いまどろみ(作品タイトルでもある)の後で作品が目を覚まして観照者に対峙するという意味で「Awakening(目覚め、覚醒)1981-2012」としている。
古川流雄
是非この機会にご高覧下さい。